ハイヤー乗務員に英語力は必要か?

ハイヤー乗務員の実態

ハイヤー乗務員の仕事に英会話スキルは必要なのか?役に立つのか?収入アップに繋がるのか?現役ハイヤー乗務員の考えをお話しします!

片言英語くらいがちょうどいい

多くのハイヤー会社の求人や、ハイヤー乗務員の仕事を紹介するブログなどには、

  • あなたの英語力が活かせます!
  • 英会話スキルアップが収入アップへの近道!

など、英語力が武器になるかの様な記載が見受けられますが、現役ハイヤー乗務員である私は敢えてこれに異を唱えます!

外国人のお客様が話している内容が『なんとなく』理解出来て『片言で』返答出来れば充分です。むしろ、高い英会話スキルは邪魔になる事すらあるんです。

どう言う事か?事例を交えてご説明致します。

そもそもお客様との会話自体が少ない

お客様へ必要以上のお声掛けをしないのがハイヤー乗務員です。これはお客様が日本人でも海外の方でも変わりありません。

そして海外のお客様を乗せるシチュエーションは、空港・ホテル・会社・会食場所・ゴルフ場などの施設間移動、しかも予定が決まっている片道移動がほとんどです。

という事は、

  • ピックアップ時のご挨拶
  • 行き先の確認
  • 到着時のご案内
  • 言葉が理解できない場合のお詫び

これくらいの定型文さえ覚えておけば、9割の仕事は問題なくこなせるのです。

稀に複数の目的地を巡る視察や観光の業務もありますが、そんな場合は依頼主である日本企業の日本人社員さんがアテンドとして付きます。大切なVIPゲストのアテンドを外部委託の運転手に丸投げなどしません。

この様に、海外のお客様と定型文以外の会話をする機会そのものが少ないのが実情なのです。

その英語で大丈夫?

『あなたは日本語を話せますか?』

この質問に対し多くの日本人は「はい!」と即答するでしょう。それでは、

『大企業のトップ・都道府県知事や国会議員の方と会話するのに相応しい敬語は使えますか?』

と聞かれたらどうでしょう?多くの方は「はい!」と即答するのを躊躇するのではないでしょうか?

日常会話が出来ても、ハイヤー乗務員として相応しい会話が出来るかどうかは別なのです。

日本語の敬語とは違う形ではありますが、英語にも敬語的な表現はあります。何でもかんでもpleaseやSirを付ければ良いという物でもありません。

会話する機会が少ないとは言え、日本人に比べて海外の方は会話好きな傾向があるのも事実です。成田空港と都内の送迎時など移動時間が長い場合には会話を求められる事もあります。

そこで待ってましたとばかりに英語で話し出したとしても、それがフランクなタメ口英語では失礼にあたります。いくら会話好きで相手から話し掛けてきたとはいえ、VIPのお客様にはそれに相応しい言葉遣いが必要なのです。

ある程度文法化されている日本語の敬語とは違い、英語の敬語表現は主に言い回しの違いになります。その場その相手に適した言い回しを正確に選択するには、英語圏の文化や考え方を理解した上で数多くのケーススタディが必要になるそうです。

そこまでハイレベルな英会話スキルを持っているのであれば…ハイヤー乗務員よりもスキルを活かせる仕事が他にあるのではないでしょうか?

いずれにしても、中途半端な英語力では武器にするには心許無いと言えそうです。

活かせる=収入アップ…とは限らない

それでは求人などに書かれている『英語力が活かせる』という言葉が嘘かと言えば、そんな事はありません。

少数ではありますが、乗務員に高い英語力を求める企業様からの依頼もありますし、失礼の無い様に充分に注意すれば会話が出来るのに越した事はありません。

その様な、英語が苦手な乗務員では受けられない仕事が受けられるので、仕事の幅・選択肢が広がります。そういう意味では『英語力が活かせます』。

しかし…それが収入アップに繋がるか?というと、正直言って疑問なところです。

ハイヤー会社の多くは、一定以上の英語力を持つ乗務員に手当てを支給していますが、その額は決して大きくはありません。月給ベースで見ると数時間分の残業代になるかどうか…というところでしょう。

更に言えば、海外の方を乗せる機会の多い外資系企業は、夜の会食のご利用が少なめである事が多いです。

料亭で和食接待くらいまでなら頻繁にありますが、その後はほぼホテルへお送りして終了。二次会として銀座や六本木の高級クラブへ駆り出す事は非常に少ないです。

欧米人ビジネスマンの好みや考え方に依るところもありますが、外資系企業自体が接待の経費にシビアなので、無用に長い夜のハイヤー利用を避ける傾向があるのです。

つまり、英語力を活かせる企業様の専属になると手当ては貰えるものの、それ以上に残業代は稼げず。結果的に収入全体としては少なめになってしまう…なんてケースも少なくないのです。

もちろん給与体系は会社によって異なりますので一概には言えませんが、英語が得意だからといって収入が大幅にアップするとは限らないというのが現実です。

英語力で稼ぎたいなら会社を選ぶ

私も「ハイヤー乗務員には英語力は必要無い!」とまでは思いません。

仕事の幅は増えますし、使いどころにさえ注意すればデメリットは無くメリットしかないと思います。

しかし国内大手ハイヤー会社で勤務するにあたっては、そこそこの片言英語が出来れば充分だと言うのが現状なのです。

それでも【高い英語力を活かしたドライバー】として活躍したい!高収入を得たい!

そう考えるなら、外資系企業のプロパードライバー(直接雇用の運転手)も視野に入れるべきです。

ハイヤー会社でハイヤー乗務員として勤務しつつ、その様な求人を探して直接応募する方法もありますし、専属として勤務するうちに先方から認められて引き抜かれる事もあります。

また大手ハイヤー会社ではなく、海外企業に顧客を絞った中小規模のハイヤー会社(ドライバー派遣会社)もあります。一定以上の英語力が応募条件となっていますが、その分高待遇である会社も多いです。

大手ハイヤー会社に勤める最大のメリットは、仕事の安定供給です。

英語に限らず、自身の特殊スキルで仕事を確保出来るのであれば、大手ハイヤー会社に固執する必要は無いと言えます。

私の職場にも、より良い職場を探すアンテナを張っている人は結構います。

…えっ?私ですか?そこは『守秘義務』と言う事で…(^ ^;)

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